変拍子教室 2限目「数字で遊ぼう」
ちゃちゃーす。りょうちゃんでーす。
1限目では変拍子の種類を知ってもらえたと思うので、今日はそういったテクニックをふんだんに使ったドラムフレーズを解読・解説していきます。
単なるテクニック(速かったり複雑すぎたり)は今日はありません。
気楽に数字を数えていって帰ってください。
【諸注意】
- テクニカルメタルばっかりです。
- 慣れていないと変拍子酔いする危険性があるので気分が悪くなったら視聴をやめてください。ほんとに。
- 間違ってたらコメント等で指摘してくれたらありがたく思います。
OK, Let's Go!
まずはこれ。
いきなりの変拍子祭りにいきなり吐き気。
とりあえず基本ビートは(9/8+)6/16+3/16です。
間奏のギターの刻みは4/4が3つ+3/8です。
そして、問題の2:06あたりからの頭のおかしいギターソロ。
基本ビートの6/16+3/16にさらに4/16が加わり13/16になります。
数え方は6/16+7/16で大丈夫なんですが、後半ギターがピロピロし始めると真ん中の3がすごく感じ取りににくくなります。
これはベースがその要因の全てで、
ターラーラーラー ラーラー
って弾いてますがアンダーラインのラーは宙ぶらりんの状態、不安定でヒントの無いリズムになっているのです。
脳は6拍子(12/16=6/8)に聴こえたいはず、
「ターラーラー ターラーラー」
ってね。
でも1拍が余分に入ってることで頭で描いているリズムには聴こえず混乱を招きます。
すごくつんのめった感じに聴こえますよね。
そんな中涼しい顔をしてソロを弾いてるであろうマティアス先生、異常です。
キモ...くはない。かっこいい。
次の曲はこちら。
その手の界隈の人からすると、
出、出たーーーーーー!!!!!!
って感じになるくらい有名な曲です。
とりあえず聴いてわかることは、
- 7連→6連→5連→4連→3連→2連→1連と下がっていっている。
- 途中で4連→3連→2連→1連と短くなっている。
- 途中サビ終わりで訳のわからないことをしている。
ってことぐらいです。
んじゃ詳しく見てみましょう。
基本ビートは
9/16+8/16+7/16+6/16+5/16+4/16+3/16
です。
全部足して42/16で1周なんですが、なんとスネアがツタツタと2ビート(8分音符)で刻んでいるので、2周目はスネアが反転します。
よって、42/16が2周(84/16=42/8=21/8×2)で1つのフレーズです。
アホか。
項目1と2については、○連+8分休符(16分2つ分お休み)って感じでそのままカウントダウンして進んでいるだけです。
項目3について(2:37くらい)は、
42/16を3連割(タツツタツツ...って感じで)して14打を2周です。それだけ。
そして何事もなかったかのように基本ビートへ...
あと驚くべきことに、
全員楽器弾きながら歌ってます。これで。
馬鹿かよ...
天才集団です。
お次はこれ。
突然ですが問題です。
これは何拍子でしょう??
答えは、
おおよそ4/4です。
厳密には4/4を9つと2/4です。
38/4拍子です。
は?(憤り)
基本ビートは言った通り38/4なんですが、アクセントの譜割りが7,5,7/16なので、簡単に言うと
タッタッタッッ
タッタッッ
タッタッタッッ
が連続してます。(アクセントの後は休みが16分音符2つ分)
計19/16のフレーズが8回で152/16、約分して38/4です。
...注意してスネアの音をよーーーく聞いてみてほしい。
...うんたん、うんたん、うんたん...
ってなってますね。
要は左手で4/4(厳密には38/4、19打)を打ちながら右手右足で19/16を刻んでいるのです。
楽譜にしたのがこちら。⤵︎
なるほど、わからん。
でも、こうやって右手も4で刻むと結構簡単なんですよね。⤵︎
ね?簡単でしょう?
まぁ慣れですね。スネアが入る場所を熟知していないと見失ったら最後、鬱蒼とした拍子の森へ彷徨い遭難して死あるのみ。
その後、なんやかんやあって3:45あたりからはギターとベースがこれをキープ、ドラムソロに突入します。
カッチョイイ...
このドラム、Peter Wildoerはサブプロジェクトであるこのバンドの他にDream TheaterのJames Labrieのソロアルバムにドラムとして参加したり、デスラッシュメタルバンド、Darkaneでドラムを叩いてます。
James Labrieの3枚目のソロアルバム「Static Impulse」の1曲目では、メインのラブリエより先にシャウトボーカルとして歌い、「なんで人のソロアルバムで最初の声がお前やねん」って結構言われてました。
かわいそうに。良い声してはるのにね。
脱線したので次の曲。ラスト。
変拍子界の巨匠、現在Jeff Beckのバックドラマーをしている「ローリングストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大なドラマー100選」のうちの14位、かの有名な世界一変態と呼ばれたフランク・ザッパ・バンドで歴代一のドラマーと言わしめた(wikipediaガン見)、Vinnie Caliuta大先生が参加しているバンドの曲から。
客席に手拍子を煽り、ノリノリな感じでのスタート。
ドンタンドンタン、シンプルな4ビートでドラムが入り不穏なサウンドながらギターソロが入る。
「秘技・そのまま16分音符だけズラす」
たったこれだけでこの後本当に訳わかめ。
ライブによって編成は違うが、パーカッションが入っていれば頭クラップでクリック代わりにずっと一緒のテンポで刻み続ける。
これは...
手拍子煽った意味よ。
客置いてけぼりとかそんなレベルじゃねぇぞ。
でも16分音符1つずつズラしていっても全くグルーヴが途切れないのほんとヤバい。
ドラマーにしかわからないと思うけど、クリック♩=108で1/4設定(アクセントが付かないようにして)でドンタンドンタンって叩いて16分ずつズラすの、やってみてほしい。
本当にシンプルにして最高峰の難易度を誇るこの曲。
世界はかなり広くて、果敢にもドラムカバーをしてる猛者がたくさんいることに驚きを隠せない。
是非皆さんも4/4を刻み続けてくりゃれ。
ワシには無理や。
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どうでしたでしょうか??
前回も言ったけど、書いてる本人が一番死にそうだからね。
数字遊びもここまでいくと悟りの境地だよ、ほんと。
あと、どうしても注意してほしいのが、変拍子ばかりに気を取られてグルーヴを忘れがちなドラマーには絶対になってはいけないということ。
変拍子のクリックに合わせて叩くだけなら機械・打ち込みでも出来ますよっていうのが率直な意見です。
やる音楽にレベルが高い低いは関係無いんですが、拍子に魂を売ってしまい機械と化したドラマーは幾人か見てきた故...
遊びたいならとりあえず普通の8ビートからやりなさい。
以上。
次回もお楽しみに!
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